腰椎椎間板ヘルニア ~病態とリハビリテーションについて~

腰椎椎間板ヘルニアとは?

背骨(椎体)の間に存在するクッション作用を持つ椎間板と呼ばれるものがあります。椎間板は加齢変性し、10代でも変性がしばしば認められます。この椎間板の中にある髄核が脱出し、後方に突出してくる状態を”ヘルニア“と呼びます。ヘルニアの脱出程度によって4つに分類されていますが、ここでは割愛させていただきます。

症状は?

日本整形外科ガイドラインによると、好発年齢は20~40歳の若年層。男性が女性より2倍~3多いとされています。好発部位は下位腰椎(特に腰椎5番目と仙骨1番目)。症状は重症度によって異なりますが、軽症であれば腰部痛、重症であれば神経を圧迫するため下肢痛、下肢筋力低下、感覚障害、排尿障害や会陰部の感覚低下を認めることがあります。

診断について

画像診断はMRIが有用です。レントゲンやCTでは診断は困難です。加えて、徒手検査や責任病巣の筋力評価や感覚評価、ブロック注射でも評価は可能です。しかし、日本整形外科ガイドラインによると、ヘルニアが画像所見から指摘を受けても、症状と一致しないことがあるとされています。臨床上ではヘルニアを有していながらも、無症状の方も多くいます。診断には画像と臨床症状が一致していることが重要になります。

予後と治療

重症例を除いては保存療法が基本となります。ヘルニアが吸収されることもありますが、残存していても多くは3ヶ月で症状が改善します。神経を圧迫し、強烈な下肢痛、著明な下肢筋力低下、重度感覚低下、排尿障害などが生じている場合は手術療法が適応となります。これらの症状がある場合は早急に手術が必要で、神経を圧迫している期間が長いと、手術をしないと改善しないこともあるため注意が必要です。保存療法として疼痛を軽減させるための薬物療法、ブロック注射、運動療法、動作指導があります。

リハビリテーションについて

手術適応となる方は対象外となります。リハビリテーションは疼痛や時期に応じて介入していきます。疼痛が強い時期では安静・コルセットの着用・動作指導が中心になります。疼痛が少しずつ軽減してくると、体幹・下肢の筋力強化、下肢の関節可動域訓練など実施し、疼痛のさらなる軽減や再発予防に努めていきます。ここでは動作指導について紹介したいと思います。

動作指導

物を取る時は腰を曲げないように、なるべく腰を伸ばした状態で、取るのが望ましいです。椎間板は腰を曲げると負担が大きくなるため、普段から腰を曲げないようにすることが大切です。
長時間座っているのも好ましくありません。座っている状態も腰が曲がっているため、椎間板圧が高くなります。仕事でデスクワークをされている方は疼痛が強くなるまでの時間の把握やこまめに立って、腰を伸ばすことも重要になります。腰を伸ばすことで椎間板圧を下げることができますが、圧が下がるのに時間がかかるので注意が必要です。

引用文献

腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021(改訂版3版)
JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION VoL24/Vo.4 2015.4
MB Orthop.30(8):50-58,2017

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