腰痛のリハビリテーション

腰痛の原因とは?

MRIやCT画像検査の進歩にもかかわらず、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など診断できる腰痛は15%にとどまり、腰痛の大多数の85%は原因がわからない非特異的腰痛といわれてきました。しかし、2015年に実施された「山口県腰痛study」では画像所見に加え、丁寧な理学所見(問診・視診・触診・打診・神経学的検査)を実施すれば78%は診断が可能であったと報告されており、「診察所見の重要性」が見直されています。

診断が可能である腰痛のうち、比率の高い椎間板性腰痛・椎間板性腰痛に関しての特徴及びリハビリの指導に関して紹介させていただきます。

椎間関節とは

腰椎は英語でLumber、仙骨はSacrumといいます。第1腰椎をL1と呼び、L5まで、第1仙骨をS1と呼びます。各腰椎・腰仙椎には関節が存在し、L1/L2から順にL5/S1まで関節があり、これを椎間関節といいます。この関節には受容器(痛みなど感知する組織)が豊富に存在し、可動性低下や関節面にストレスがかかると疼痛が生じます。椎間関節を支配している神経は関節のみならず、筋も支配します。疼痛が生じると筋にも悪影響を及ぼし、筋の伸張性低下が生じ、さらに関節の動きが悪くなる悪循環がおこります。
ヘルニアや加齢によって椎間板が変性すると椎間関節の負担が大きくなることも報告されています。

椎間板性腰痛の身体的所見

・体を後ろに反った時に痛い
・前屈した状態から起き上がる時に痛い
・片側性に生じる(両側罹患している場合もある)
・痛みを指で指すことができる(腰椎付近)
椎間板性腰痛はこれらの特徴が挙げられます。腰痛の中には曲げた時に痛い場合もありますが、このタイプは体を後ろに反った時に痛みは感じるのが特徴です。

痛みを感じる部位

症状が生じる部位は腰痛が主体ではありますが、臀部痛や大腿外側部痛も生じることがあり、原因となる部位と症状が生じている部位が異なることがあり注意が必要です。

リハビリテーション

まずは、腰椎・股関節の可動域改善、動作指導が重要になります。
股関節の可動域制限があると、腰椎の動く範囲が大きくなり椎間関節にかかる負担は大きくなります。

⓵腰椎の運動

仰向けに寝た状態で、両膝を抱えます。両膝が胸につくのが望ましいですが、つかない場合は可能な限りまで、胸に近づけます。その状態を30秒程度キープしていきます。この運動の目的は腰椎可動性の改善になります。

⓶股関節筋のストレッチ

股関節前面の筋肉の硬さは腰椎に過剰な負担をかけるため、股関節の柔軟性が必要となります。左図のように伸ばしたい足と反対側の足は膝・股関節を曲げた状態(屈曲位)とし、伸ばしたい方の足は膝を曲げずに、可能な範囲で股関節を伸ばして(伸展)いきます。これを30秒~1分程度行い、ストレッチしていきます。

⓷動作指導

中腰や重たい物を持たない、なるべく腰を反らないように指導していきます。

参考文献

椎間関節性腰痛のみかた 林典雄
MB Orthop.30(8):71-76,2017 鈴木 秀典ら
LocO CuRE voL4 no.4 2018  鈴木 秀典

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