骨吸収抑制剤の副作用が怖い!?~顎骨壊死との関連~

骨吸収抑制剤(ビスフォスフォネート製剤とデノスマブ)の長期投与に関連して顎骨壊死非定型大腿骨骨折が問題視されています。しかし、これらの問題に伴ってビスフォスフォネート製剤の処方量が減少するとともに減少していた大腿骨近位部骨折の発生率が再び増加に転じていることが問題とされ、ニューヨークタイムズは 2016年6月にまれな有害事象にこだわって骨粗鬆症治療が縮小している点についての再考を促す社説を発表し、米国骨代謝学会の誌説でも骨粗鬆症治療の再考を促されました。具体的にはどれほどの頻度で発症するのでしょうか?骨粗鬆症治療における骨吸収抑制剤の有効性と副作用の頻度は、交通事故時におけるシートベルトの役割と類似しています。シートベルトを装着すれば、衝突時の重大な傷害や死亡のリスクを約50%減少させます。一方で、非常に稀ではありますがシートベルト装着により引き起こされる傷害(シートベルト損傷)もあります。骨粗鬆症治療において、ビスフォスフォネート製剤の治療をうけることによって脆弱性骨折のリスクが約50%減少できます。一方で、シートベルト損傷と同程度の頻度で、顎骨壊死と非定型大腿骨骨折が発生します。シートベルトの装着が引き起こすかもしれない傷害(シートベルト損傷)、骨粗鬆症治療薬であるビスフォスフォネート製剤投与が引き起こすかもしれない顎骨壊死や非定型大腿骨骨折など、非常に確率が低いリスクを避けるよりも、シートベルト非装着時の傷害・死亡リスクや、骨粗鬆症を未治療のままでいることで発生する骨折リスクを防ぐほうが患者さんにとってベネフィットがあると考えます。「顎骨壊死」への対策として、抜歯等の骨への侵襲を伴う歯科治療は、骨吸収抑制薬による治療開始前までに終えることが望ましく、骨粗鬆症の治療開始前に歯科医を受診し、口腔内の衛生状態を改善し、侵襲的な歯科処置を済ませておきましょう。骨粗鬆症の治療中や治療後においても、治療前と同様に歯科医による口腔内の定期的な検査と除石処置などの歯周疾患に対する処置を行う必要があります。かかりつけの歯科の先生と連携して骨粗鬆症の治療を行っていくことが予防の上で、重要となります。

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