骨粗鬆症について

《骨粗鬆症について》

骨粗鬆症とは骨強度が低下し、骨折しやすくなる状態のことです。骨粗鬆症になると鬆(す)が入ったように骨の中が粗くなってしまうため骨が脆くなります。そのため軽度な衝撃でも骨折しやすくなります(脆弱性骨折)。しかし多くの場合骨折が発生するまで症状が出現しないので本人が自覚症状として捉えることが非常に少なく、骨折が起きるまで骨粗鬆症という病気を認識することが困難です。

骨粗鬆症に起因する脆弱性骨折は一度骨折するとドミノ倒しのように次々と骨折を繰り返す危険性が高まり、日常生活動作の活動性を低下させるのみならず、生命予後にも影響を及ぼすと言われています。

骨粗鬆症を早期発見し、治療介入することで骨折を予防し、患者さんの生活の質(QOL)の維持・向上を図り、平均寿命だけでなく元気に歩いて生活することのできる健康寿命を延ばすことが大切です。

《本邦における骨粗鬆症の現状について》

骨粗鬆症は1000-1300万人の方が罹患していると推定され、高齢化社会の到来とともに今後さらに患者数は増加していくものと考えられます。他の欧米先進諸国と異なり本邦では骨折発生率はいまだに増加傾向にあり、その原因のひとつに治療率の低さが挙げられます。

本邦での治療率が低く約10-20%と言われており、いかに優れた骨粗鬆症治療薬、強力な骨折抑制効果を有する薬剤があったとしても骨折危険性の高い高齢者のところまで届いていなければ、骨折予防効果を発揮することはできません。骨折リスク患者様への積極的で継続的な骨粗鬆症治療を推進する必要があります。こうしたことを受け、日本骨粗鬆症学会が中心となったリエゾンサービスの取組みが普及しつつあります。当院リエゾンサービスでは、医師をはじめ看護師や理学療法士のメディカルスタッフが患者さんの骨折リスクを評価し、治療ノートを作成して「骨折・再骨折の予防」、「転倒予防」、「骨粗鬆症の治療の開始・継続」、「食事指導」などについて取り組んでいます。

《骨粗鬆症の診断について》

原発性骨粗鬆症の診断には椎体骨折または大腿骨近位部骨折などの脆弱性骨折の既往、または骨密度の若年成人平均値との比較で行なわれます。

特に骨密度測定には当院で測定可能な腰椎・大腿骨近位部のDXA(デキサ)法による測定が推奨されています。この測定法は感度が高いため薬剤による治療効果判定にも非常に有用です。問診、レントゲン検査とDXA(デキサ)法を用いた骨密度測定結果から骨粗鬆症の診断を行い、血液・尿検査で骨代謝マーカーおよび全身の状態を把握します。

骨粗鬆症と診断されれば非常に骨折リスクが高まった状態であるので治療が必要です。

《骨粗鬆症の治療について》

年齢・性別・生活様式などを考慮し、現在患者様に効果が高いと思われる治療法を提案させていただきます。食事療法・運動療法・生活指導・薬の治療を組み合わせて治療を行います。骨粗鬆症の薬は、長く継続することによって、骨量を増やし骨折を予防することが出来る薬です。効果がないと自己判断して薬を中止せず、医師の指導にしたがって治療を続けてください。ただし、薬の服用中に、気になる症状があらわれたときには、医師または薬剤師に御相談ください。

他の薬やサプリメントと一緒に飲むと、効果が弱くなり、望ましくない作用(副作用)を起こすことがあります。他の薬を服用される際には、医師・薬剤師にお申し出ください。

骨粗鬆症治療は長期にわたるため、治療の継続が重要です。

《骨粗鬆症の治療効果判定について》

日常診療においては、血液検査による骨代謝マーカー及びDXA法による骨密度測定を行い、治療前後の変化・変動を見て治療効果判定を行っていきます。

骨代謝マーカーは治療後1~3ヶ月の経過で有意な変化をきたし、その後の骨密度上昇効果の予測因子となり得ます。治療後の骨密度の上昇効果が高いほど、骨折リスクの軽減効果が高くなります。特に大腿骨近位部の骨密度の上昇は、骨折リスク軽減につながり、腰椎骨密度よりもその関連性は強いと言われております。したがって、大腿骨近位部の骨密度の上昇を目指して治療を行っていくことが標準的な治療目標となります。

関連記事

  1. ステロイドによる骨への影響~ステロイド性骨粗鬆症~

  2. 骨粗鬆症と腰痛

  3. 骨吸収抑制剤の副作用が怖い!?~顎骨壊死との関連~

PAGE TOP