糖尿病
1.糖尿病とは
糖尿病は、血糖値を低下させるホルモンであるインスリンの作用が上手く働かなくなり血糖値の上昇が持続する疾患です。血糖値が高い状態が続いていると血管が傷つき、網膜症、腎症、神経障害の細小血管症や、心筋梗塞、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症などの大血管症といった合併症をひき起こします。これらの合併症を予防するためには、慢性の高血糖を早期に診断し、糖尿病の早期診断・早期治療を行うことが重要です。
2.糖尿病の診断
糖尿病の診断は、空腹時血糖やHbA1c、75g経口ブドウ糖負荷試験(75g oral glucose tolerance test;75gOGTT)で行います。
3.糖尿病の治療
糖尿病は生涯を通して、いかにうまく付き合っていくかがポイントとなります。治療の目的は、高血糖を改善し、糖尿病に特徴的な血管障害等の合併症並びに糖尿病に併発しやすい他の生活習慣病を防ぎ、健康寿命をのばすことになります。、食事療法・運動療法・薬物療法を中心に、血糖値の上昇を抑えることが治療となります。 食事療法や運動療法を行っていても血糖値が改善されない場合に、薬物治療を行います。薬物療法には、大きく分けて、内服による血糖降下薬とインスリン注射薬があります。どの薬剤を使用するかは、年齢や肥満の程度、合併症の程度、肝・腎機能、インスリンの状態などを考慮して、決めていきます。
糖尿病は、適正な血糖値のコントロールを行うことで、重い合併症を防ぐことが可能な病気です。一喜一憂しすぎず、長い目で見て糖尿病とうまく付き合っていきましょう。
参考文献
鈴木潤一 小児内科 Vol. 51 No. 4,2019‒4
佐藤麻子 医療検査と自動化 Vol.45 No.1 2020