成人の2人に1人は高血圧! しっかりとした血圧管理を!

  • 高血圧はいまだにわが国の循環器疾患の死亡の最大の原因。
  • しっかりとした降圧管理がまだ不十分。
  • 医療スタッフは降圧目標の達成の重要性を患者さん・家族に理解させることが重要。

わが国の高血圧に関する現状

2019年 4月 25日、日本高血圧学会より高血圧治療ガイドライン2019が公表されました。

主な改訂点を表に示します。現在、高血圧有病率は、女性では各年齢階級で低下傾向が見られていますが、50歳以上の男性では低下が明らかでありません。高齢化に伴いさらに有病率が増加する可能性もあるといわれています。高血圧治療率は改善してきていて、60歳代で 50%以上、70歳代で60%以上となっていますが、管理できている割合は、男性で約40%、女性で約45%にとどまっています。つまり、内服はしていても、目標血圧には十分に達していない患者さんが多いというのが現状です。

改訂点 内容
診察室血圧値の正常値 従来、診察室血圧値140/90mmHg未満は正常域血圧と定義されていたが、120/80mmHg以上はそれ未満に比べて脳心血管病の発症率が高いことから、正常値は 120/80mmHg未満と定義(家庭血圧分類も追加され、診察室血圧から5mmHgを引いた値が呈示された)
降圧目標 ①75歳未満の成人、脳血管障害(両側頚動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞あり)、冠動脈疾患、慢性腎臓病(尿蛋白陽性)、糖尿病、抗血栓薬服用中の患者さん
→診察室血圧130/80mmHg未満  家庭血圧 125/75mmHg未満
②75歳以上の高齢者、脳血管障害(両側頚動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なし、または未評価)、慢性腎臓病(尿蛋白陰性)の患者さん
→診察室血圧140/90mmHg未満  家庭血圧 135/85mmHg未満
左室駆出率の保たれた心不全 収縮期血圧130mmHg未満を目標とすることを推奨する
脳血管障害を合併する高血圧の治療 脳出血急性期の降圧目標値を収縮期血圧で140mmHg未満に変更
妊娠と関連した高血圧に対する第1選択薬 ヒドララジン塩酸塩がはずされ、メチルドパ水和物とラベタロール 塩酸塩、妊娠20週以降ではニフェジピンが推奨

日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会編.高血圧治療ガイドライン2019.東京,ライフサイエンス出版,2019.

新ガイドラインから見る今後の展望

高血圧は、生活習慣病のなかで最も罹患率が高く、かつ、多くの心血管系疾患を引き起こす誘因になることから、さらなるしっかりとした対応が求められています。

このため当院が果たす役割は大きく、患者さん・ご家族とともに高血圧管理の重要性を再認識していただき、1人ひとりしっかりとした血圧管理を行っていきます。

参考文献

佐藤直樹 HEART nursing 2019 vol.32 no.12
平和伸仁 Vol.55 No.11 2019 日本病院薬剤師会雑誌

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