ステロイドによる骨への影響~ステロイド性骨粗鬆症~

ステロイド性骨粗鬆症とは

副腎皮質ステロイド薬は,強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を有し,膠原病・リウマチ性疾患などの疾患ので使用されます。しかし,一方で副作用として糖脂質,骨代謝異常を必ず発症させます。副腎皮質ステロイド薬による骨代謝異常症はステロイド性骨粗髪症とよばれます。骨が弱くなり、わずかな外力で骨折(脆弱性骨折)を生じることが見られます(図1)。骨密度が正常でも、副腎皮質ステロイド薬の開始後早期から生じることもあり,こどもから大人,高齢者までどの年齢でも生じます。骨折は日常生活を不自由にするだけでなく、生命予後にも影響しますのでしっかりとした対策が必要です。

図1 ステロイド加療中に誘因なく椎体骨折を発症

治療

ステロイド性骨粗鬆症は副腎皮質ステロイド薬による副作用です。その対策として治療を行うことにより骨折率を減少できます。
ステロイド性骨粗髪症の管理と治療のガイドライン2014年改訂版(図2)では,副腎皮質ステロイド薬を3ヵ月以上使用中か使用予定の患者で,一般的指導に加えて,既存骨折,年齢,ステロイド投与量,骨密度を点数評価し,3点以上ならば薬物治療を開始します。膠原病やリウマチ性疾患の場合、副腎皮質ステロイド薬を一度開始すると3ヵ月以上の使用予定となることがほとんどであり、副腎皮質ステロイド薬開始とともに治療を検討すべきと考えております。特に65歳以上であれば スコアは4点となるため,高齢者は基本的に薬物療法が必要となります。
一般的指導は,喫煙や過剰なアルコール摂取等の骨粗鬆症の原因となる生活習慣の改善,ビタミンDやカルシウムの補充などの栄養指導,普段からの運動や歩行習慣の励行などの運動指導,転倒予防などです。ビスホスホネート製剤をはじめとした骨吸収抑制剤の使用においては,抜歯などの侵襲的歯科治療を受けた後の顎骨壊死症に留意する必要があり,副腎皮質ステロイド薬も顎骨壊死症の危険因子とされますが,骨折予防の観点からはビスホスホネート製剤投与のベネフィットがリスクを上回ります(骨折予防効果の方が、顎骨壊死リスクよりもはるかに高い効果を示します。また定期的な口腔ケアを受けることで、顎骨壊死リスクは軽減します)。

ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン2014年度改訂版より引用

参考文献

田中良哉 分子リウマチ治療 vol.12 no.1 2019
宗圓聰 THE BONE Vol.32 No.3

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