診療紹介

骨粗鬆症

診断から日常生活指導まで、包括的な治療を行います

骨粗鬆症患者様の診断と治療を推進し、一人でも多くの患者様の骨折リスクを軽減させ、一日も長く元気で健康的な生活を送っていただくため、当院では骨粗鬆症外来を行っております。
当院外来の特徴は骨粗鬆症の診断・治療のみならず、運動療法や栄養指導も行い、日常生活への指導介入も含めた骨折予防を行う事であります。
骨粗鬆症が心配の方、あるいはすでに骨粗鬆症と診断された方は、お気軽に骨粗鬆症外来を受診していただき、ご相談ください。
疾患の詳細は院長ノート・骨粗鬆症をご参照ください。

【骨粗鬆症について】
骨粗鬆症とは骨強度が低下し、骨折しやすくなる状態のことです。そのため軽度な衝撃でも骨折しやすくなります(脆弱性骨折)。
しかし多くの場合骨折が発生するまで症状が出現しないので本人が自覚症状として捉えることが非常に少なく、骨折が起きるまで骨粗鬆症という病気を認識することが困難です。
骨粗鬆症を早期発見し、治療介入することで骨折を予防し、患者さんの生活の質(QOL)の維持・向上を図り、平均寿命だけでなく元気に歩いて生活することのできる健康寿命を延ばすことが大切です。

【骨の健康に関心を持ちましょう】
骨粗鬆症は1000-1300万人の患者がいると推定され、今後さらに患者数は増加していくと考えられます。
欧米先進諸国と異なり日本では骨折発生率はいまだに増加傾向にあり、その原因のひとつに治療率の低さが挙げられます。
日本での治療率は低く約10-20%と言われており、いかに優れた骨粗鬆症治療薬、強力な骨折抑制効果を有する薬剤があったとしても骨折危険性の高い患者様のところまで届いていなければ、骨折予防効果を発揮することはできません。
骨の健康に関心を持って、骨折リスクが高い場合は積極的で継続的な骨粗鬆症治療を行い、骨折を予防しましょう。

【骨粗鬆症の診断について】
骨粗鬆症の診断には椎体骨折または大腿骨近位部骨折などの脆弱性骨折の既往、または骨密度の若年成人平均値との比較で行なわれます。
特に骨密度測定には当院で測定可能な腰椎・大腿骨近位部のDXA(デキサ)法による測定が推奨されています。
この測定法は感度が高いため薬剤による治療効果判定にも非常に有用です。
問診、レントゲン検査とDXA(デキサ)法を用いた骨密度測定結果から骨粗鬆症の診断を行い、血液・尿検査で骨代謝マーカーおよび全身の状態を把握します。

【骨粗鬆症の治療について】
年齢・性別・生活様式などを考慮し、現在患者様に効果が高いと思われる治療法を提案させていただきます。
食事療法・運動療法・生活指導・薬の治療を組み合わせて治療を行います。
骨粗鬆症の薬は、長く継続することによって、骨量を増やし骨折を予防することが出来る薬です。
効果がないと自己判断して薬を中止せず、医師の指導にしたがって治療を続けてください。
骨粗鬆症治療は長期にわたるため、治療の継続が重要です。

【骨粗鬆症治療と抜歯について】
骨粗鬆症治療薬である骨吸収抑制剤を使用している場合、歯科での治療で「顎骨壊死」という副作用のお話しを聞くことがあり、不安になることがあるかもしれません。口の中の衛生状態が悪い人に起こることがあり、その確率は1万人~10万人に数人と極めて低い頻度です。口腔衛生管理によりそのリスクは低下することがわかっており、虫歯があったりして抜歯などの治療が必要な人には、先に歯科で口の中の治療を行ってから骨粗鬆症の治療を開始します。
骨吸収抑制剤の治療中に抜歯が必要となった場合、お薬を中止することによる顎骨壊死予防効果については疑問が多いため、基本的にはお薬の中止は不要と考えられています。
口腔内の定期的なクリーニングを行うことで「顎骨壊死」の発症リスクは低下しますので、かかりつけの歯科の先生と連携して骨粗鬆症の治療を行っていくことが重要です。
この副作用は非常に珍しいものなので過度に心配せず、不安があればいつでも当院スタッフにお伝えください。リスクを恐れて骨粗鬆症の治療を中止するのは患者様にとって不利益が大きいと考えられています。

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